真っ黒い壁が立ち上るのを見て
世界の終わりのような雲が吹き上がるのを見た
みんなそれを見ていた

疑いなく信じていたものが嘘をつく声を聞いて
みんなの携帯からイヤな音が鳴るのを聞いた
みんなそれを聞いていた

真っ黒いピラミッドの前にみんなが集まり
怒号をあげてバリケードをやぶった時
僕の電話が鳴った
僕はみんなの姿を後ろ目に
病院へ向かった
そしてしばらくして 僕は初めて命を授かった

初めて映像を志した時
より良い世界を作れるようなもの それが作りたいと思った
いまがその時だ
いまをおいて 一生二度とないかもしれない
いまがその時だ
関根光才
KOSAI SEKINE
FILMMAKER
映像監督。
1976年4月26日生まれ
上智大学卒。
東京を拠点として、クロスカルチュアルな映像を、CM、ミュージックビデオ、映画他、ジャンルを問わず制作中。
「いま本当に創るべき映像は何か」を考えた結果、志を近くするフィルムメーカー仲間と旗揚げをするに至る。
WORKS OF 関根光才