マスメディアではなくパーソナルメディアとして映像で「手紙」を書きました。
僕の想いを自分の言葉で言う。
1年前も今もそれが最も難しいと感じています。
反対の意見の人もいるし、批判も怖い。
正義の違いで争いになるかもしれない。
僕も誰かを知らないうちに傷付けてしまうかもしれない。
それを恐れて、口をつぐんでしまう。
もしも自分の意見を言う自由を失ったら、取り返しのつかないことになるかもしれないと、僕は会ったこともない国の人達のことを考えて悶絶する。
原発事故を起こしてしまった僕たちがその人達の未来を心配して眠れない夜を過ごしている。
せめてそのことを伝えようと愚直に進むことにしました。
それは同時に僕自身に対しての覚悟でもあります。
原発輸出対象国の人々を心配するプロジェクトとしてトルコの人たちへ。
心配する、ただひたすらに心配をする、という行動は国境を越えて伝わるのだろうか?
僕は心配する、あなたのこの先を考えて想いを馳せる。
あなたの家族のこの先を考えてみる。
あなたの友人や先生や仲間やその子ども達のこの先を心配する。
言葉も習慣も違うけれど。
会ったこともない人達だけれども。
僕は自分の先祖にも、未来の人に会ったことがないのと同じように、同じ人として会ったことのないあなたを心配する。
そんな手紙です。
(とうとう4月2日に日トルコ原子力協定が僅か5時間の審議で可決されてしまいました。)
director: 丹下紘希